石原裕次郎 昭和太陽伝《叢書・20世紀の芸術と文学》
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「西部警察」世代が知らない裕次郎がここにいる!!
石原裕次郎三十三回忌に娯楽映画研究の第一人者がおくる、渾身の本格評伝。
生涯の軌跡と、全出演映画の詳説、さらに「だれもが愛した裕ちゃん」のエピソードの数々をまじえ、昭和とともに生きた大スターの生涯を様々な角度から描き、これ一冊で昭和のエンタメ・文化史としても読める一冊!!
石原プロモーション 監修
石原裕次郎・三十三回忌記念出版
どんなときも自然体で、おだやかで、やさしい。
裕次郎さんの大きさをいつも感じていました。
渡 哲也
出演映画104作、シングルレコード237タイトル……映画と歌とテレビ映画の足跡。
誕生から、日本映画黄金時代にトップスターとして駆け抜けた青春期、「俳優は男子一生の仕事にあらず」と石原プロモーションを立ち上げ、日本映画最大のヒット作『黒部の太陽』を作り上げた青年期、「太陽にほえろ!」でテレビ進出を果たし、テレビ映画「大都会」「西部警察」シリーズを製作して新たなムーブメントを起こした時代、そして病苦と闘い続けた晩年……。本書は、石原裕次郎の生涯を編年体で辿っている。その足跡を振り返ることは、「もはや戦後ではない」と呼ばれた昭和三十年代の映画界の隆盛と凋落、社会現象を巻き起こしたテレビ映画の時代を辿る映像文化史であり、「裕ちゃん」を熱く支持した人々の庶民史でもある。(本書「はじめに」より)
《目次》
まえがき
序章
第一部 太陽は昇る
第一章 もはや戦後ではない――昭和三十一(一九五六)年
『太陽の季節』五月十七日 古川卓巳監督 すべては、ここから始まった!
ファインダーの向こうに、阪妻がいる!
『狂った果実』七月十二日 中平康監督 狂熱の季節の到来
テレビ「ひこばえショー 銀座の夜は生きている」(NTV)
『乳母車』十一月十四日 田坂具隆監督 伸びやかさと屈託と
『地底の歌』十二月十二日 野口博志監督 アウトローの孤独
『月蝕』十二月十九日 井上梅次監督 若きボクサーの肉体
『人間魚雷出撃す』十二月二十七日・古川卓巳監督 戦火に散った青春
第二章 日活アクション時代の幕開け――昭和三十二(一九五七)年
『お転婆三人姉妹 踊る太陽』一月三日 井上梅次 総天然色のミュージカル
『ジャズ娘誕生』四月三日 春原正久監督 チエミを照れながらエスコート
『勝利者』五月一日 井上梅次監督 自分を取り戻すための闘い!
『今日のいのち』六月二六日 田坂具隆監督 文芸作での誠実な演技
『幕末太陽傳』七月十四日 川島雄三監督 三枚目を際立たせる二枚目の高杉晋作
『海の野郎ども』八月二十一日 新藤兼人監督 新藤兼人と裕次郎による海洋活劇
『鷲と鷹』九月二十九日 井上梅次監督 裕次郎の海洋活劇
『俺は待ってるぜ』十月二十日 蔵原惟繕監督 日活アクションの方向性を決定づける
『嵐を呼ぶ男』十二月二九日 井上梅次監督 タフガイの代表作
第二部 太陽は輝く
第一章 独走! 映画黄金時代のトップ――昭和三十三(一九五八)年
『心と肉体の旅』一月九日 舛田利雄監督 盟友の監督デビュー作
『夜の牙』一月十五日 井上梅次監督 急遽の連続で完成した異色ミステリー
『錆びたナイフ』三月十一日 舛田利雄監督 過去と向き合い、現在を闘う
『陽のあたる坂道』四月十五日 田坂具隆監督 石坂洋次郎が裕次郎のために書いた原作
『明日は明日の風が吹く』四月二十九日 井上梅次監督 サラリーマンからヤクザへ
『素晴しき男性』七月六日 井上梅次監督 明朗ミュージカルと裕次郎
『風速40米』八月十二日 蔵原惟繕監督 嵐の中に立つ
『赤い波止場』九月二十三日 舛田利雄監督 ハードボイルドに生きる
『嵐の中を突っ走れ』十月二十九日 蔵原惟繕監督 熱血教師の裕次郎
『紅の翼』十二月二十八日 中平康監督 航空アクションへの挑戦!
第二章 タフガイ裕次郎の時代――昭和三十四(一九五九)年
『若い川の流れ』一月十五日 田坂具隆監督 文芸映画の北原三枝と裕次郎
『今日に生きる』三月十日 舛田利雄監督 和製西部劇の醍醐味
裕次郎の失踪
『男が爆発する』四月二十八日 舛田利雄監督 裕次郎の男性的魅力に溢れた活劇
『山と谷と雲』五月三十一日 牛原陽一監督 男泣きする裕次郎……
『世界を賭ける恋』七月十二日 滝沢英輔監督 日本映画初の欧州ロケを敢行
『男なら夢をみろ』八月九日 牛原陽一監督 不良性感度をたたえた裕次郎のワルぶり
『裕次郎の欧州駈けある記』九月一日 企画・監修 裕次郎によるロケ日記
『清水の暴れん坊』九月二十七日 松尾昭典監督 第三の男・赤木圭一郎との本格共演
『天と地を駈ける男』十一月一日 舛田利雄監督 ダイナミックな航空アクション
『男が命を賭ける時』十二月二十七日 松尾昭典監督 危険を伴う大油田の爆破シーン
第三章 日活ダイヤモンド・ラインによるアクション映画の時代――昭和三十五(一九六〇)年
『鉄火場の風』一月十五日 牛原陽一監督 過去のある男の痛快アクション
『白銀城の対決』三月六日 斎藤武市監督 雪山で展開されるスキーアクション
『あじさいの歌』四月二日 滝沢英輔監督 年に一度の青春文芸路線
『青年の樹』四月二十九日 舛田利雄監督 青年の理想、理想の青年
『天下を取る」七月十三日 牛原陽一監督 痛快! 裕次郎のサラリーマン喜劇
『喧嘩太郎』八月十日 舛田利雄監督 ダイナミックなサラリーマン喜劇
『やくざ先生』九月二十一日 松尾昭典監督 感化院出身の型破り教師の奮闘
『あした晴れるか」十月二六日 中平康監督 異才・中平康のスクリューボール・コメディ
『闘牛に賭ける男』十二月二七日 舛田利雄監督 北原三枝、裕次郎との結婚、引退へ
裕次郎と北原三枝の結婚
第三部 俳優は男子一生の仕事にあらず
第一章 ケガで入院!――昭和三十六(一九六一)年
『街から街へつむじ風』一月十四日 松尾昭典監督 「銀座の恋の物語」誕生!
裕次郎、ケガで入院!
『あいつと私』九月十日 中平康監督 復帰第一作は明朗青春映画!
『堂堂たる人生』十月二十二日 牛原陽一監督 源氏鶏太原作の痛快サラリーマン喜劇
『アラブの嵐』十二月二十四日 中平康監督 エジプトロケを敢行した国際アクション
第二章 夢へ向かって――昭和三十七(一九六二)年
『男と男の生きる街』一月十四日 舛田利雄監督 「大都会」の原点となる社会派アクション!
『銀座の恋の物語』三月四日 蔵原惟繕監督 日活ムード・アクションの萌芽
『青年の椅子』四月八日 西河克己監督 高度成長を支えた熱血サラリーマン映画
『雲に向かって起つ』五月一日 滝沢英輔監督 政治の不正に挑む反逆児の保守化
『憎いあンちくしょう』七月八日 蔵原惟繕監督 エポックとなったロードムービー
『零戦黒雲一家』八月十二日 舛田利雄監督 豪快! 戦争アクション
『若い人』十月六日 西河克己監督 吉永小百合と裕次郎
『金門島にかける橋』十一月三日 松尾昭典監督 台湾との合作による大スケールのスペクタクル
『花と竜』十二月二十六日 舛田利雄監督 任侠映画はここから始まった!
十二月二十七日 石原プロモーション設立会見
第四部 太陽に向かって立つ
第一章 石原プロモーション始動!――昭和三十八(一九六三)年
『何か面白いことないか』三月三日 蔵原惟繕監督 蔵原惟繕の精神的アクション映画
『太陽への脱出』四月二十八日 舛田利雄監督 太陽の男の壮絶な死!
『夜霧のブルース』六月三十日 野村孝監督 孤独の人生に差す暖かな光が消えた時……
石原プロモーション第一回作品
テレビ「裕次郎アワー 今晩は、裕次郎です」(NTV)
なかにし礼との出逢い
『太平洋ひとりぼっち』十月二十七日 市川崑監督 映画への夢の具現化
第二章 最高のシンガー――昭和三十九(一九六四)年
『赤いハンカチ』一月三日 舛田利雄監督 日活アクションの最高峰
テレビ・さくらスターライト劇場「あしたの虹」(KTV)四月五日〜九月二十七日
テレビ・一千万人の劇場「小さき闘い」(CX)五月六日
『夕陽の丘』 四月二十九日 松尾昭典監督 ムード・アクション路線が定着
『鉄火場破り』七月十二日 斎藤武市監督 着流しヤクザの裕次郎が大暴れ!
『素晴らしきヒコーキ野郎』十月十九日 ケン・アナキン監督 裕次郎のハリウッド進出作品
『殺人者を消せ』九月十九日 舛田利雄監督 新機軸のアクション・コメディ!
『「小さき闘い」より 敗れざるもの』十月三十日 松尾昭典監督 少年とアウトローの友情
石原プロモーションと三船プロダクション
『黒い海峡』十二月三十一日 江崎実生監督 暗黒街に生きる
第三章 渡哲也との出会い――昭和四十(一九六五)年
『城取り』三月六日 舛田利雄監督 司馬遼太郎×裕次郎の豪快時代劇!
テレビ「結婚について」(TBS)
『青春とはなんだ』七月十四日 舛田利雄監督 熱血教師!青春ドラマの原点!
渡哲也との出会い
『泣かせるぜ』 九月十八日 松尾昭典監督 渡哲也と裕次郎、初共演!
芸能生活十周年記念リサイタル
『赤い谷間の決闘』 十二月二十八日 舛田利雄監督 裕次郎と渡哲也による「男対男」活劇!
第四章 「二人の世界」のビッグヒット――昭和四十一(一九六六)年
『二人の世界』二月二十五日 松尾昭典監督 大ヒット曲からムード・アクションへ
『青春大統領』四月二十七日 江崎実生監督 ジャニーズと裕次郎の娯楽アクション大作
テレビ「バラエティー すてきな仲間」(NET)
『黒部の太陽』への道
『夜霧の慕情』六月一日 松尾昭典監督 アウトローの愛
『夜のバラを消せ』七月九日 舛田利雄監督 007ブームと裕次郎映画
『帰らざる波止場』八月十三日 江崎実生監督 過去を持つ男と女の愛情
『栄光への挑戦』十月八日 舛田利雄監督 青年実業家の栄光と挫折
『逃亡列車』十二月二十四日 江崎実生監督 目指すはハリウッドの戦争アクション
第五部 太陽は黒部に昇る
第一章 『黒部の太陽』へ向かって――昭和四十二(一九六七)年
『夜霧よ今夜も有難う』三月十一日 江崎実生監督 裕次郎とルリ子のムード・アクション到達点
『嵐来たり去る』五月三日 舛田利雄監督 任侠にかける男の意気地
『黒部の太陽』クランクインへの道
『波止場の鷹』八月十二日 西村昭五郎監督 ムードアクションからハードボイルドへ
『黒部の太陽』決死の撮影の日々
『君は恋人』十一月三日 斎藤武市監督 水の江滝子と共演
『黄金の野郎ども』十二月二十三日 江崎実生監督 スカーフェイスのダーティ・ヒーロー
第二章 太陽は黒部に輝く――昭和四十三(一九六八)年
『遊侠三国志 鉄火の花道』一月十三日 松尾昭典監督 裕次郎、小林旭、高橋英樹の
三大スターによる任侠大作!
『黒部の太陽』二月十七日 熊井啓監督 映画史上最大のプロジェクト、遂に完成す!
『昭和のいのち』六月二十二日 舛田利雄監督 殴り込みを拒否した裕次郎
『忘れるものか』十二月二十八日 松尾昭典監督 東宝の星由里子との初共演
第三章 アフリカ・サファリラリーへの挑戦――昭和四十四(一九六九)年
『風林火山』三月一日 稲垣浩監督 スタープロによる戦国絵巻
『栄光への5000キロ』七月十五日 蔵原惟繕監督 ロマンチシズムとリアリズムと
『人斬り』八月九日 五社英雄監督 盟友・勝新太郎との初共演
テレビ『黒部の太陽』(NTV)八月三日〜十月十二日
『富士山頂』への登頂
『嵐の勇者たち』十二月三十一日 舛田利雄監督 日活オールスターによるピカレスクロマン
第六部 栄光と挫折
第一章 斜陽の映画界での闘い――昭和四十五(一九七〇)年
『富士山頂』二月二十八日 村野鐡太郎監督
『待ち伏せ』三月二十一日 稲垣浩監督 五大スター競演による娯楽時代劇
『ある兵士の賭け』六月六日 キース・エリック・バート監督 目指すはハリウッド!
エベレスト大滑降 七月十八日 上映中の公開打ち切り
『スパルタ教育 くたばれ親父』八月十二日 舛田利雄監督 現代っ子対太陽族!
『戦争と人間 第一部 運命の序曲』八月十四日 山本薩夫監督 空前の超大作のなかの裕次郎
第二章 ある時代の終焉――昭和四十六(一九七一)年
『男の世界』一月十三日 長谷部安春監督 日活アクションへの挽歌
『蘇える大地』二月二十六日 中村登監督 栄光と夢の挫折
裕次郎の入院と渡哲也の入社
第七部 太陽はふたたび……
第一章 「太陽にほえろ!」放映開始!――昭和四十七(一九七二)年
『影狩り』六月十日 舛田利雄監督 人気劇画をスペクタクル時代劇化
「太陽にほえろ!」(NTV)七月二十一日〜一九八六年十一月十四日 テレビ界に吹き荒れる刑事ドラマ旋風
『影狩り ほえろ大砲』十月十日 舛田利雄監督 時代劇アクションシリーズ第二作!
第二章 プロデューサー・裕次郎、スター渡哲也――昭和四十八、四十九(一九七三、七四)年
『反逆の報酬』二月十七日 澤田幸弘監督 裕次郎と渡哲也のピカレスク・ロマン
『ゴキブリ刑事』六月九日 小谷承靖監督 渡哲也主演作を裕次郎がプロデュース
『ザ・ゴキブリ』十二月一日 小谷承靖監督 好評! シリーズ第二作
昭和四十九(一九七四)年
第三章 大都会――昭和五十~五十四(一九七五~七九)年
昭和五十(一九七五)年
昭和五十一(一九七六)年
「大都会―闘いの日々―」(NTV) 石原プロモーション初めてのテレビ映画
『凍河』四月二十四日 斎藤耕一監督 中村雅俊をサポートする裕次郎
昭和五十二(一九七七)年
「大都会PARTⅡ」 ハードアクションへの転身
「大都会PARTⅡ」(NTV)四月五日~一九七八年三月二十六日
昭和五十三(一九七八)年
「大都会PARTⅢ」(NTV)十月三日~一九七九年九月十一日
第八部 陽は沈み、太陽はまた昇る
第一章 西部警察――昭和五十四、五十五(一九七九、八〇)年
昭和五十四(一九七九)年
「西部警察」(ANB)十月十四日〜一九八二年四月十八日
昭和五十五(一九八〇)年
第二章 裕次郎、倒れる――昭和五十六(一九八一)年
裕次郎、倒れる!
第三章 西部警察、全国縦断ロケ――昭和五十七~五十九(一九八二~八四)年
昭和五十七(一九八二)年
「西部警察PARTⅡ」(ANB)五月三十日〜一九八三年三月二十日
『わが青春のアルカディア』七月二十八日 声優への挑戦
『西部警察PARTⅡ』全国縦断ロケーション
昭和五十八(一九八三)年
「西部警察PARTⅢ」(ANB)四月三日〜一九八四年十月二十二日
石原プロモーション創立二十周年
第九部 甦る太陽
昭和五十九(一九八四)年
『零戦燃ゆ』八月十一日 舛田利雄監督 盟友のために歌う
「西部警察」最終回 十月二十二日
第十部 昭和の太陽
昭和六十(一九八五)年
映画への夢
昭和六十一(一九八六)年
「太陽にほえろ!」最終回 十一月十四日 生涯最後の芝居
昭和六十二(一九八七)年
太陽は星に……
わが人生に悔いなし
平成の三十一年間
《著者略歴》
佐藤 利明(サトウ トシアキ)
構成作家・ラジオ・パーソナリティー。娯楽映画研究家として、ハナ肇とクレイジーキャッツ、「男はつらいよ」、エノケン・ロッパなどの昭和の喜劇人の魅力を、新聞連載やコラム、CD アルバム、映像ソフトのプロデュースを通して紹介を続けるエンタテイメントの伝道師。石原裕次郎についても、これまで全作品DVD の解説、CD、映像ソフトのプロデュース、「石原プロモーション50年史」の執筆などを手がけてきた。テレビ、ラジオなどで「昭和のエンタテインメント」をテーマに活躍中。音楽プロデューサーとしても活躍。2015 年文化放送特別賞受賞。著書『クレイジー音楽大全 クレイジーキャッツ・サウンド・クロニクル』(シンコーミュージック)、『植木等ショー! クレージーTV大全』(洋泉社)、『寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま』(東京新聞)、『石原裕次郎 昭和太陽伝』など多数。
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