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アレクセイ・スルタノフ 伝説の若き天才ピアニスト

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19歳でヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールを制し、天才ソリスト誕生といわれたアレクセイ・スルタノフ(1969-2005)。楽譜に縛られない〝自由〟こそ音楽表現の起点と主張し、「ショパン音楽の偉大な解釈者」と評価されたが、若くして夭折した天才ピアニストの音楽性の豊かさを描く。「You Tube動画」解読も収録。1991、96、97、99年の4度来日公演!

《目次》
*目次
プロローグ――〝自由〟こそ音楽表現の起点 
I 情熱を燃焼させた若き天才ピアニスト 
1 神は天才がお好き  
  狂乱にも似た『ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第二番』の終楽章 
2 生まれ故郷はウズベキスタンのタシュケント 
  タシュケントからモスクワへ 
  ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝、ホロヴィッツとの出会い 
  ポーランドの視聴者が激怒したショパン国際ピアノコンクールの決定 
     病と心に生きつづける音楽 
3 〝自分式〟の音楽創り 
     二分されるスルタノフの評価  
  〝人間スルタノフ〟と〝音楽家スルタノフ〟 
  ユニークさと人生を誠実に生きぬく力 
4 ピアニストとしてのスルタノフ 
  原石としての〝能動性〟 
  〝脱力〟こそピアノ演奏の根底 
  音楽と自己の一体化 
5 スルタノフの作品、解釈、演奏 
  音楽とは何か 
  作曲家は作品の生みの親 
  「解釈」の貧困さ 
  華麗で個性的な演奏スタイル 
II スルタノフと時代を共にしたピアニストたち 
1 若きヴィルトゥオーソ 
  スタニスラフ・ブーニン 
  エフゲニー・キーシン 
  横山幸雄 
  フィリップ・ジュジアーノ 
2 二十一世紀のピアノの魔術師 
  ユジャ・ワンとダニール・トリフォノフ 
3 燃えるロマン 
  ショパン『バラード第四番ヘ★短調作品五十二』
   ――ブーニンとスルタノフ 
  ショパン『ピアノ・ソナタ第三番作品五十八』
   ――ジュジアーノ、横山幸雄とスルタノフ 
  ショパン『エチュード第十二番ハ短調作品十の十二』
   ――キーシンとスルタノフ 
  チャイコフスキー『ピアノ協奏曲第一番変ロ短調作品二十三』
   ――トリフォノフ、ユジャ・ワンとスルタノフ 
III スルタノフの遺産――語りかけるYou Tube動画 
1 動画のすばらしさ 
2 独奏としてのステージ演奏 
 リスト『メフィスト・ワルツ』(一九八九年演奏) 
 ショパン『ポロネーズ第六番〈英雄〉・作品五十三』(一九九五年演奏) 
 ショパン『スケルツォ第二番変ロ短調・作品三十一』(一九九五年演奏) 
 ラフマニノフ『ピアノソナタ第二番ニ短調・作品三十六』(一九九六年演奏) 
 ベートーヴェン『ピアノソナタ第二十三番・作品五十三〈第一楽章〉』(一九九八年演奏) 
 プロコフィエフ『ピアノソナタ第七番・作品八十三』(一九九八年演奏) 
 ショパン『マズルカ第三十五番・作品五十六の三』(一九九九年演奏) 
 リスト『ピアノソナタ・ロ短調』(一九九九年演奏) 
3 管弦楽と共に――ピアノ協奏曲 
 ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第二番ハ短調・作品十八』(一九八九年演奏) 
 ショパン『ピアノ協奏曲第二番へ短調・作品二十一』(一九九五年演奏) 
 チャイコフスキー『ピアノ協奏曲第一番変ロ短調・作品二十三』(一九九〇年演奏) 
4 データでみるステージ演奏 
アレクセイ・スルタノフ関係資料一覧 
エピローグ

《著者略歴》
アルバン・コジマ
米国籍。テンプル大学大学院において作曲学修士課程を、ドレクセル大学院にて情報学修士課程を修了。フィラデルフィアの音楽院で作曲法、音楽理論、室内楽作品解釈などを講義。1988年より、ペンシルヴァニア大学中央図書館で日本学研究資料管理を担当するとともに、同大学院で日本学研究文献情報学を講義。2012年末より、執筆活動に携わる。現在、米国ニュージャージー州に在住。 著書に『加山雄三と音楽の魅力』(彩流社)がある。

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